株式会社ポラリス 代表取締役 森剛士氏

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取材日)
平成30年5月1日(火)

取材先)
株式会社ポラリス
http://www.polaris.care/

船場経済倶楽部)
田中理事長、赤松委員長、中井委員

 

本日は中井康之委員のご紹介で自立支援介護事業をされている株式会社ポラリスの森剛士社長にお話を伺いに行ってきました。

元心臓外科医のご出身で脳梗塞を患った植物状態の祖父を引き取る為に、勤務していた阪大を辞め、慢性医療の世界に入られたと言うことです。
現在の日本の病院経営は3ヶ月で患者を入れ替えていくことが、一番効率がいいとされており、その日本医療の欠点は、虚弱高齢者に対する仕組みが無いこと。
その欠点を補うために、医療で出来ないことを介護(デイサービス)でやっている。
その指針となる様にポラリスと社名を名づけられました。要は北極星の意味。道しるべを意図しているという事です。

竹内先生を師匠として学び、その手法を今ポラリスでサービスとして提供している。
そのサービスとは、自立支援介護。歩くことが様々な症状を緩和する。
今までの実績で、認知症の周辺症状、うつ病、筋力低下による歩行困難、などは多くの事例で改善されている。
このサービスを1日2回行うデイサービスとしてフランチャイズ展開をされており、土地のオーナー様を見つけ、サブリースの形で展開していた。お陰様で現在70カ所の店を展開している。
今は新たなフランチャイズは増やしておらず、どちらかというと、フランチャイジーから店を買い取り直営店化している。

安倍総理がパラダイムシフトを目的に素晴らしい日本を作るために未来投資会議と言うものを開催されており、そこで上記のポラリスの実績が大きく評価された。
その裏付けになったのが、ポラリスの3年間の実績。ポラリスだけで3年で13億円の社会保障費が削減できているという事です。
この実績をもって、内閣官房や厚生労働省に働きかけ、今までのように何か介護作業を行えば保険点数がもらえる制度ではなく、改善すれば保険点数が上がる制度の導入を要望して、これが認められた。
(2017年9月7日、日本経済新聞に掲載)

ポラリスでは介護保険卒業を目指しており、この3年で200名卒業し、5年で500名卒業した実績がある。
ポラリスがやられている事は「運動学習理論」というものがあり、「歩けるようになるには、歩かなくてはならない」が基本。
パワーリハのように筋力の低下→歩けなくなる、ではなく、歩かない→歩けなくなる、である。
ポラリスでは、ゆっくりとした、リズミカルな、軽い運動をしてもらっている。また、水をしっかり取ってもらうことも重要。
認知症の周辺症状(徘徊など)は歩行で全てなくなる。
86%が改善した実績を持っている。改善させるポイントは、「水」「食事」「排泄」「運動」「薬を減らすこと」である。

これらの数々の実績の中に感動逸話があり、少しご紹介したいと思います。
ある60代の男性が脳梗塞で倒れられ、歩行困難な状態で、4ヶ月後に娘の結婚式があり、そこでバージンロードを一緒に歩くことを目標に実際にそれを実現された事例。
またゴルフ好きのご高齢の方が歩行困難な寝たっきりの状態から打ちっ放しのゴルフ練習場へ行ける様になった事例。
これらに介護スタッフも同行するという事ですから今までの介護事業とは全く違ったサポート体制。
目標を持ち、介護スタッフと一緒に歩んで行く、そしてお互いその成長を喜び合うことが介護卒業に非常に大切だということが実感して分かりました。

今後は保険点数をあてにしない自費サービスを増やしたいと考えており、例えば「介護ツーリズム」。
3ヶ月間世界1周をしている間に歩けるようになるプログラムを組み込む。
また、地方病院にノウハウを提供し、世界の富裕層を呼び込み、自立支援と地域創生に取り組む。
このように世界に出ていく為に、現在パナソニックやミサワホーム、トヨタと提携の話を進められているという事。

あと教育に力を入れていく。現在全国8カ所で研修を行われており、この研修所に6千数百人が通われている。
今後は、フランチャイズではなく、これらの実績とビッグデータを元にノウハウ提供という形で広くポラリスがしていることを社会に広げたいという事でした。
これから日本が迎える超高齢化社会のお手本となる事業だと感じました。

本当に数々の素晴らしいお話ありがとうございました。

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